ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

●ものづくり補助金概要

・目的

 目的として「中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する。」との記載があります。

これを分解すると、以下のようになります。
  「革新的」
  「サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善」を行うための
  「設備投資等」を支援します。

これらのキーワードを実現する事業の支援が「ものづくり補助金」の目的であることがわかります。

また、新型コロナウイルスの影響を乗り越えるために前向きな投資を行う事業者に対して、通常枠とは別に、補助率を引き上げ、営業経費を補助対象とした「特別枠」にて、優先的な支援が行われます。

2021年実施「ものづくり補助金」低感染リスク型ビジネス枠(新特別枠)の応募準備

2021年1月18日、通常国会が招集されました。

当国会にて、予算に関しては、令和三年度予算、および令和二年度第3次補正予算他が審議されています。

補助金ナビでは、令和二年度第3次補正予算で実施される中小企業支援施策の一つ、「ものづくり補助金」の「低感染リスク型ビジネス枠」に注目しています。

ものづくり補助金の申請に関する準備時間は、ものづくり補助金ポータルサイトのデータによれば、平均約70時間となっています。

筆者は、会社経営をしつつ、多くの事業者様の事業実施をご支援しており、ものづくり補助金については、自ら事業者として申請採択を受けた経験と、支援者として数多くの申請支援を行って来ています。ものづくり補助金の平均的な準備期間は、感覚ですが、実際に作成に取り掛かってから完成まで約30日です。

○2021年実施予定の「ものづくり補助金」について

2021年は、令和二年度第3次補正予算により、ものづくり補助金には、低感染リクス型ビジネス枠(新特別枠)の実施が予定されています。

経済産業省公表のPR資料によれば、2020年実施の特別枠に対して要件、補助率を一部改訂した上で、予算枠を拡大して実施される予定です。

この枠組みは、2020年に実施された、通常枠+特別枠と同じですので、2020年の特別枠実施の経緯から推察すると、令和二年度第3次補正予算が国会で承認され次第、早い日程で速やかに実施される可能性があります。

○2021年実施予定「ものづくり補助金」申請に向けた準備について

初回の公募期間がこのような短期間になるのかどうかは分かりませんが、過去、初回の公募の締め切りが非常に短期間で実施されたことが多くありましたので、そのような事態も想定しておいた方が良いと考えます。

そのため、補助金ナビでは、2021年実施のものづくり補助金の新特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)に応募を予定されている事業者様には、早期に準備を開始されることをお勧めしています。

公募開始前の準備については、多くの方から、「公募要領」や「応募書式」が公表されていない状態で準備をしても、無駄になってしまうのでは? とのご意見をいただきますが、そのようなことはありません。

ものづくり補助金は、過去10年近く実施されていますが、その間、多少の要件変更、審査項目や記載内容の変更追加はありましたが、記載内容の大半(私は9割近いと思っています)は、前年と同じです。特にものづくり補助金の審査における最大のポイントの「革新性」については、ものづくり補助金の枠組みが固まってからはほとんど変更されずに実施しています。

そこで、2021年実施ものづくり補助金の準備としては、2020年実施のものづくり補助金の公募要領、応募書式を前提に、2021年実施に際して判明している事項を考慮して申請書づくりを行いましょう。

通常枠は、2020年度から2022年度までの3年間はほぼ変更はないでしょう。新特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)について、申請書作成に関して現時点で判明している2020年実施「特別枠」との違いは以下の通りです。

1)付加価値向上の期間(付加価値額向上率の達成目標期間を、事業終了後「3~5年」から「4年以内」に変更)
2)補助率(「2/3あるいは3/4」を「2/3」に)
3)事業再開枠の廃止
4)特別枠要件の変更/統一
  2020年実施の特別枠のA類型(サプライチェーンの毀損への対応)、C類型(テレワーク環境の整備)を廃止した上で、B類型の要件を多少変更。
  2020年のB類型は、「非対面型ビジネスモデルへの転換(非対面・遠隔でサービスを提供するビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと)」でした。これが「対面接触機会の減少に資する、製品開発、サービス開発、生産プロセスの改善に必要な設備投資、システム構築等」とされています。

上に記載した、4つのポイントのうち、1)~3)は、目標数値、や金額に関する物ですので、ものづくり補助金申請作業の大半の時間を占める事業の具体的な内容「その1(補助事業の具体的取組内容)」、「その2(将来の展望)」には直接的には影響はありません。従って、現時点での準備は、4)のポイントのみ考慮の上で、2020年実施のものづくり補助金(特別枠)を前提に準備を進めれば良いことになります。

○2021年実施「ものづくり補助金」低感染リクス型ビジネス枠(新特別枠)の申請準備方法

ものづくり補助金の申請準備に際しては、筆者は以下の手順で実施することをお勧めしています。

1)公募要領や申請書式から、審査項目、記載すべき内容を抽出し、審査時に求められている記載内容を書き出す。(審査を試験の採点に例えると、設問と解答用紙を作成する作業です。)

2)ご自身の事業計画を明確にする。その際に、もの作り補助金の審査の最大のポイントである「革新性」について訴求ポイントを明確にする。

3)どの事業分野に該当するのかを考える。
「新商品(試作品)開発」、「新たな生産方式の導入」、「新役務(サービス)の開発」、「新たな提供方式の導入」

4)その上で、「新商品(試作品)開発」、「新たな生産方式の導入」の場合には、「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」のどの分野のどの技術課題に該当するのか、「新役務(サービス)の開発」、「新たな提供方式の導入」の場合には、「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」のどの項目により、付加価値の向上や効率化を図るのかを検討、ポイントを書き出す。

5)以上を踏まえて、申請書を記載する。

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